経済には良い時と悪い時があります。近年は新型コロナウイルスの感染拡大もあり、経済への影響は深刻といわれています。そのような状態では転職にも影響があるのではないか、と判断を迷ってしまう人もいることでしょう。
不景気時は転職の判断を迷ってしまう人も少なくありませんが、転職者の数は経済の良し悪しに関係なくほとんど変わりません。
総務省の労働力調査の長期時系列を見ると、景気動向を示す指標の1つである完全失業率は大きく変動していますが、転職者の割合は1990年代以降、4.0%~5.0%の範囲で推移しています。つまり、完全失業率に比べて転職者の数は大きく変化していないんです。
転職者の数はそこまで大きく変化していないとはいえ、不景気時は先行きが不安なので転職しても良いか判断に悩んでしまうもの。でも、捉え方によっては不景気時こそ企業を見極める大きなチャンスなんです!
確かに、経済情勢は企業の採用枠にも大きな影響をもたらします。景気の良い時は売り手市場になっているため、応募者も人気のある企業に多く集まります。成長過程にある企業はそこまで知名度が高くないので人気もなく、採用に苦労する傾向があります。そのような企業が人材を採用できるのは他社が採用を控える不景気時。他の企業に流れていたような優秀な人材を景気の良し悪しに関係なく採用できる、いわば体力のある企業はこれから先の成長が見込める、有望な企業である可能性が非常に高いんです。
実際、1990年代前半の平成不況の時には、コンビニが各店舗の売り上げをサポートし本部と店舗をつなぐスーパーバイザーを、医療・製薬業界は医薬品の営業を主に行うMRを積極的に採用しました。その後、これらの業界は大きな成長を遂げ、今では大活躍しています。
このように不景気時に優秀な人材を採用し、景気が回復するころには業績も上がっている企業はたくさんあります。不景気時にどのような対応を取るかで企業の将来性や成長を読み取ることができる、といっても過言ではありません。
不景気だからといって転職を考える人が減るわけではないため、転職市場に景気の影響はほとんどありません。
しかし、不景気時の転職活動は難易度が高い傾向があります。景気に関係なく、即戦力となる経験者はすぐに採用されやすいのですが、不景気時は経験者であってもすぐに採用されるとは限りません。実務経験のない応募者よりも有利になることは確かですが、通常よりもハードルは高めなので、「経験者だから」と油断してはいけませんよ。
転職を成功させたいなら転職エージェントを利用すべきですが、検討中という人もいることでしょう。ここではどんなメリットがあるのかについてまとめているのでぜひ参考にしてくださいね。
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